☆2023.1.4 更新☆ 2023はどんな年に?

「校正者」と「 校閲者」、仕事内容の違いは?

校正必携
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印刷物等の誤りや不備をただす「校正者」。
数年前、ドラマで「校閲ガール」が話題になったけれど、「校閲者」という呼び名はあまり聞かないような…。
仕事内容に違いはあるのでしょうか?

校正とは

「校正」の意味を、三省堂国語辞典(第七版)で調べると、次のように書かれています。

印刷したもの(校正刷り)を原稿とくらべあわせて、文字・色などのあやまりなどを正すこと。

三省堂国語辞典(第七版)

「くらべあわす」という文言が入っているように、もともとの意味では、印刷物あるいは出版物の製作過程で、
校正刷(校正用に仮につくられた印刷物)と、元となる原稿を見比べ、文字の誤りや不備を調べ正す
作業のことを指していました。

ただ、「原稿を手書きで書く人」が激減した今日における「校正」は、

●誤字脱字や表記などのチェック
●文字サイズや図版の配置方法などの体裁が、原稿指定どおりになっているかのチェック
●印刷作業・組版作業での不備チェック

などが、主な内容と言えます。

校閲とは

では「校閲」の意味は?
三省堂国語辞典(第七版)で調べてみると、

読んで、文書のあやまりを調べること。

三省堂国語辞典(第七版)

とシンプルに書かれています。

校閲の仕事を具体的に説明すると、

事実関係や固有名詞の誤り
内容の矛盾
差別用語や禁止用語が含まれていないか
のチェックなど、内容的にも一歩ふみこみ、かつ、非常に多岐にわたる

と言えます。

商業印刷の場合、公正取引委員会や薬機法など、業種ごとに定められた法律やルールに即しているかのチェックも欠かせません。

校正者? 校閲者?

「校正」と「校閲」では仕事の領域が異なることはわかりました。

ならば現場で、「校正者」と「校閲者」が存在し、分業しているのか?というと、そのようなケースはほぼないでしょう。

実際には「校閲者」ではなく「校正者」と呼ばれることが多く、「校正者が校正も校閲も、両方おこなう」ケースがほとんどです。

私が通った日本エディタースクールを例にみると、コース名や資格に「校閲」という言葉は使われておらず、「校正者養成コース」「校正技能検定」となっています。

とはいえ、新聞社では「校閲記者」が存在しますし、新潮社などの大手出版社では「校閲部」を設けているところもあります。→なんとなく「校閲」といった方が「門番」感が強まるような気がしますね

ちなみに、Googleで「校正 求人」と検索すると約470万件、「校閲 求人」だと約107万件でした(2021年6月時点)。

求人を例にとっても、募集職種として「校閲者」と表記されているケースはあまり見かけず、「募集職種=校正者」「仕事内容=校正・校閲」となっているケースが多いように感じます。

まとめ

校正者」は、「誤字脱字、体裁や図版、印刷上の不備などがないか」という「校正」の領域と、「矛盾や事実誤認、固有名詞の誤りがないか」という内容にまでふみこむ「校閲」の領域まで担っていることがほとんどです。

つまり、一般的には「校正者」と呼ばれる人たちが「校正も校閲も、両方おこなっている」と言えます。

ただ、業界や会社によっては「校閲記者」「校閲部」としているところもあり、その呼び方はケースバイケース、なのですね。

よって、校正の仕事を受けるときには、「校正」「校閲」どの範囲までやる必要があるのかを、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします!


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