仕事をして暮らしていくとなると、気になってくるのがお財布事情…
つまり
「給与はいかほど…?」
ということではないでしょうか。
今回は、なかなか人には聞きづらい「給与」をテーマに書いてみます。
あくまで、私自身の現状や、約6か月間の就職活動を通して得た情報がベースになっていますので、その点はご承知おきのうえでお読みいただければと思います。
時給制の校正者、その給与額は…
現在、私は時給制で働いており、「時間給×実働時間」がお給料となります。
月給制ではないため、年末年始や夏季休暇など、長いお休みがあるとその分、手取りが減ってしまいます(涙)
仕事内容としては、「校正・校閲」の他に、時おり別の仕事(少しだけ知識が必要な事務系の仕事)もしています。
時給額はと言うと…
「最低賃金 + α」ぐらいです。
※最低賃金は、都道府県により異なります。
イメージとして、「条件として特別な資格が求められない事務系の仕事」の時給よりも、ちょっぴり高いかな、ぐらいな感じです。
仕事内容や責任範囲、実務経験を考慮すると、もう少し⤴⤴…を、とも思うのですが(汗)
なかなかね、、、というのが実情です。
今の職場で仕事を続けている理由は以下の2点。
・人間関係が良い
→これは大きい!
若い頃と違い、子どものことや老いていく親のことなど、いろいろと考えることが多いため、職場の人間関係に気を煩わすことは避けたいのです。
・仕事が忙しすぎない
→前職が分単位で締切に追われる仕事だったため、常に胃がキリキリしていたので…
この年で多忙すぎる職場はもう厳しいっす。
働く場所があることに感謝しながら、スキルアップと給与アップも目指したい…
このまま体力が許す限り、コツコツと続けていけたらなぁ、と思っています。
校正者の給与、一般的な相場は?
約6か月間、就職活動をした時の感覚ですが、校正者で雇用形態が「正社員」というのは、とてもレアだと思います。
「若い人を、自社で校正者として育てていく」という会社は少ないのだと思います。
一般的に、校正のお仕事は、パート・アルバイト・契約社員・派遣などの「非正規雇用」、もしくは雇用契約ではなく業務委託契約を結んで仕事を行う「業務委託」の形態であることが多いです。
仕事の範囲が「校正・校閲」に特化した「非正規雇用」の場合は、給与額は正直、高いとは言えないケースが多かったです。
実際に就職活動をした体感値としては、パート・アルバイト・契約社員だと「最低賃金 + α」ぐらい、派遣やフリー(業務委託)だともう少し高いかな、という案件が多いように思いました。
東京都の最低賃金について、2017~2022年の5年間の推移を見てみましょう。
2017年(平成29年) 958円
↓
2022年(令和4年) 1072円
なんと、時給ベースで114円アップしています。
それに伴い、今後、校正者の全体的な給与額も上がっていくのかもしれません(そうあってほしいです…)。
逆に、給与が高い校正募集の求人として、実際に以下のようなケースを見かけました。
・仕事内容が、「校正・校閲」にプラスして、編集や進行管理なども含まれている。
・医療や教育など「専門的な分野の実務経験や知識」が求められる。
・「海外支社との英文メール対応あり」など、語学力が求められる。
・勤務時間が深夜~早朝を含む(新聞社など)。
・大手出版社における新卒・若手の正社員採用(新潮社など)。
校正者の給与について思うこと
校正の仕事の範囲は、現在において変わってきています。
もともとは、「校正」という言葉の語源である「校(くらべて)」「正(ただす)」のとおり、印刷物あるいは出版物の製作過程で、「校正刷(校正用に仮につくられた印刷物)と、元となる原稿を見比べ、文字の誤りや不備を調べ正す」という「作業」の側面が強かったと言えます。
一方、現在においては「素読み」が中心のため言葉に対する知識が求められ、さらに、業界ごとの表記ルールや内容にまで踏み込む「校閲」にまで広がっています。
それらを考えると、現代の「校正職」の給与や待遇が、専門職としてもう少し見直されてもよいのでは?と思うのです。
校正・編集に特化した派遣会社のヴェリタさんの公式サイトでは、校正の仕事が公的(=労働者派遣法上)には「補助的な単純労働」とされていること、そして、それが校正労働の報酬の低さにつながっていることを問いかけておられます。
校正・編集・人材派遣なら (株)ヴェリタ (ssl-lolipop.jp)
私も校正に携わる者として、校正の仕事の実態と乖離していることへの驚きと、共感を感じました。
これからも、このブログを通して、
「校正者がどんな思いで、どんなところにまで気を配って仕事をしているのか」
その辺りの実情もお伝えしていければと考えています ^ ^