☆2023.1.4 更新☆ 2023はどんな年に?

日本エディタースクール受講記録(1)「縦組校正」

Free-PhotosによるPixabayからの画像

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私は校正者になる前、日本エディタースクールの全日制「校正者養成専門コース」を受講しました。

過去の記憶をたぐり寄せ、講義で学んだことを科目ごとに記事を分けて紹介していこうと思います。

●「これから日本エディタースクールに通うことを検討している」
方はもちろん、
●「どんなことをスクールで教えているのか知りたい」
●「独学で校正の勉強をしている」
といった方々にも、ちょっぴりでも参考になれば幸いです。

「昔、通ってたよー」という方は、過ぎ去りし日々をご一緒に懐かしみましょう。

なお、日本エディタースクール「校正者養成専門コース」のカリキュラム全体像は、以下の記事でご紹介していますので、ぜひあわせてお読みください↓↓

記念すべき第1回目は「縦組校正」です。

3つに分類されるカリキュラム、「縦組校正」はどこにあてはまるのか

日本エディタースクールの「校正者養成専門コース」のカリキュラムは、以下の3つに分類されます。

1 校正基礎科目
 校正を行う上での基本的な知識を学び、演習する。

2 校正に必要な編集科目
 校正者として知っておきたい編集に関する知識を学ぶ。

3 校正専門科目
 さらに一歩進んだ校正に関する知識を学び、演習する。

これらのうち、「縦組校正」で学ぶ内容は、「1 校正基礎科目」と「3 校正専門科目」にあてはまります。

次章で、上記の「3分類」とからめながら、講義の内容をもう少し詳しく説明していきます。

「縦組校正」講義の内容をざっくり説明

「校正者養成専門コース」の科目の中で、「はじめの一歩」となるのが「縦組校正」です。

校正の基礎の基礎。
なにはともあれ、まずは「縦組校正」をマスターせい!って感じですね。
時間もみっちりかけて学習します。

「縦組校正」は内容によってⅠ~Ⅲに分かれており、以下のようなすみ分けとなります。
講義の内容をまとめてみました。

●縦組校正Ⅰ(原稿引き合せ)
→「1 校正基礎科目」

原稿引き合せとは、もととなる原稿と、校正刷(校正を行う原稿)を1字1字照合する作業のこと。
校正作業の流れや、校正記号の使い方、赤字の入れ方を学び、実習します。

●縦組校正Ⅱ(赤字引き合せ)
→「1 校正基礎科目」

原稿引き合せの作業に加えて、印刷物の体裁を決める「原稿指定」の確認方法を学びます。
例:文字サイズ、書体、字詰め、行送り、ルビ、ノンブルなど
さらに、1回目の校正(初校)で入った赤字と、それを修正して出力した校正刷(再校)を引合わせる「赤字引き合せ」についても学び、実習します。

●縦組校正Ⅲ(素読み校正)
→「3 校正専門科目」

手書き原稿が激減し、現在主流となっている「データ入稿」による校正のポイントを学びます。
また、校正刷だけを点検し、漢字や言葉の間違い、事実関係の誤り、体裁の不備(例:見出しのサイズがここだけ違う…)などを総合的にチェックしていく「素読み校正」を中心に実習します。

校正記号の入れ方や、縦組校正の基礎知識を一通り学んだあとは、ひたすら実習、また実習。

生徒が取り組んだ実習に対して、先生が丁寧に添削してくださいます。

この添削がまた、芸術か!?という美しさ!

「校正者の赤字はこうあるべきぞ」と思わずにはいられない、きちっと正しく美しく、そして、わかりやすい赤字なのでした。

まだヒヨコにすらなっていない校正者の卵たちの、わけのわからん赤字を一つ一つ解読していくという、ものすごく根気のいる作業なのだと思います…

「縦組校正」の講義で使用する書籍

「縦組校正」の講義では、以下3つのテキストを使います。

◼️新編 校正技術
「縦組校正」の講義では、「講座テキスト版②」(=赤色の冊子)を使います。

■校正練習帳

演習用テキストです。
「縦組校正」の講義では、「(1)タテ組編」(=赤色の冊子)を使って、実習に取り組んでいきます。
この1冊を全てしっかりやり終えれば、縦組校正で用いる校正記号のうち基本的なものはおさえられると思います。

■校正必携

参考書のようなイメージで使います。校正に必要な知識がギュッと詰まっている、内容の濃い本です。

【honto】でも取り扱いあり。

これら3つのテキスに加えて、日本エディタースクールオリジナルのプリント(課題)がどっさり配布されます。

授業中+宿題として家に持ち帰り、毎回授業までに仕上げるのは、かなり大変でしたが、確実に力はついていったと感じています。

「縦組校正」で得たものを一言で表すと?

「縦組校正」で学んだこと。

それは、先生が口癖のようにおっしゃっていた、

「カチッ、カチッと1字ずつ」

この一言につきます。

つまり、「書かれている文字をさら~っと読んではいけない」ということですね。

もちろん、内容まで踏み込んで確認する「素読み」段階においては、「読む」ことは必要です。
というか、読まないと素読みできません。

一方で、「誤字・脱字・衍字」を確認する作業においては、「読まずに」「カチッ、カチッと1字ずつ」照合していくことが、とても重要なのです。

このことは、実務でも痛感しています。
校正作業をしていく中で「平常心」を保ち続けるのはとても難しいんですよね。

私などまだまだ修行が足りず、誤りを発見した時などはいまだに、「っしゃああー」とガッツポーズをとってしまいます(心の中で)。

でも、これが落とし穴。

「赤字の横には赤字あり」

心が浮き立った状態で校正をした時に限って、すぐそばに誤りがあり、それに気づかずスルーしてしまうという悲劇が起こるのであります。

先生の教えを心に刻み、今でも仕事で校正刷と向き合う前には、ひと呼吸おいて、「カチッ、カチッと1字ずつ」と唱えるようにしています(心の中で)。

校正を学ぶ人におすすめの本

印刷ボーイズシリーズ/

校正技能検定対策にも◎
印刷の仕組みや業界の裏側がマンガで学べてとにかく面白く、しかも役に立ちます。
電車の中で読み、何度もふきだしてしまいました…

★2021年9月2日、シリーズ第3弾 発売★
↓別記事にレビューを紹介しています。

☆最新刊☆ 印刷ボーイズシリーズ第3弾

・印刷ボーイズシリーズ 第1弾

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\校正者はもちろん、ブログやSNSで言葉を発信する人にも読んでほしい1冊/

校正者になるまで

体に負担のない正しい姿勢をサポートしてくれる、書見台。

▼天然竹を使用したこちらの商品は、傾斜が細かく調節でき、文字も書きやすそうです。

▼こちらも本受け部分が折りたたみ式で書き込みがしやすい&持ち運びしやすい仕様。

▼こちらは、角度調節可能な書見台+傾斜のあるライティングボードがセットになっており、使いやすそうです。

上でご紹介した3点は、ノートPCやタブレット端末にも対応。

比較的お手頃な値段ですので、仕事はもちろん、読書や勉強などにも使えます。

作業をする時、下を向いた状態が続くと、心身の不調の原因となる「ストレートネック」になる恐れも…

目線と画面の高さを合わせることで、眼の疲れや首こり・肩こりを軽減できるそうですよ。

私も実際に試してみましたが、傾斜があるのとないのとでは、疲れ方が全然違うと実感しました。

今や、夫が自宅で仕事をする時の必需品となっています。

1家に1つあれば家族でシェアでき、テレワークや勉強、読書など、いろいろなシーンに使えるので、とてもおすすめです。


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